SNSで情報漏洩が起きる原因と対策方法
- 対策方法
情報漏洩による社会問題は増加傾向となっています。背景にはデジタル化の進展によって個人でもインターネットへのアクセスや情報の共有が容易になったことが挙げられます。
企業においても広報や採用活動、マーケティングなどでSNSを活用する機会が増えてきたため、情報漏洩のリスクが高まっており、十分な対策が必要です。そのため、情報漏洩が起きる原因や企業へ及ぼす影響についての深い理解と、万が一に備えた対策法や適切な対応法について考えなければなりません。
SNSの情報漏洩が企業へ及ぼす影響
情報漏洩が企業へ及ぼす影響は次のとおりです。
- 信頼性が低下する
- 顧客の流出につながる
- 法的罰則を受ける可能性がある
信頼性が低下する
情報漏洩は企業に対する信頼性や信用を失う原因です。情報セキュリティ対策が不十分であり、危険性の高い企業であると判断されると、顧客だけでなく社会的信頼も失う可能性があります。特に情報漏洩が起きた際、初動対応を誤るとさらに事態を悪化させてしまうケースもあり、元の状態に戻すのは非常に困難です。
個人でも日常的にインターネットを利用したサービスを利用する人が増えたため、その分企業が取り扱う個人情報も大幅に増えました。顧客との信頼関係を維持するためにも、個人情報の取り扱いには細心の注意を払わなければなりません。
顧客の流出につながる
情報漏洩は競合他社への顧客の流出も避けられません。流出した結果、売上や利益の減少につながります。
また、顧客の流出だけでなく、取引先との取引継続が困難になる可能性も高まります。顧客の流出を防ぐためには、早急な対応が必要であり、社会的な信頼回復や顧客満足度の向上に努めなければなりません。
法的罰則を受ける可能性がある
企業の情報漏洩によって顧客や取引先に損害が生じてしまった場合は、損害賠償や罰金の支払いが発生するケースがあります。個人情報とは法律で保護されている重要な情報であり、このような情報を取り扱っている企業が違反を犯した場合は、刑事上、民事上の責任を負わなければなりません。
SNSで情報漏洩が起きる原因
SNSで情報漏洩が起きる主な原因は次のとおりです。
- データの外部持ち出し
- 企業アカウントの乗っ取り
- 従業員の個人アカウントからの流出
- 不十分なセキュリティ対策
データの外部持ち出し
情報漏洩の原因としてもっとも多いのは、データの紛失や置き忘れです。近年では新型コロナの影響もあり、テレワークでの作業によってデータを外部に持ち出す機会も増えたため、問題が起こりやすくなりました。データが保存された機器の持ち出しは意図せぬ情報漏洩の危険性が一気に高まるため、扱いには十分に注意が必要です。
企業アカウントの乗っ取り
不正アクセスにより企業アカウントが乗っ取られ、顧客の個人情報が引き出されるというケースも増えています。企業になりすました人物が顧客の個人情報を悪用し、別の不正被害に使用される可能性もあるため、被害を確認した場合は早急な対応が必要です。また、企業の機密情報が漏洩してしまうと、詐欺行為に悪用され、法的な責任を負わされる可能性もあるため、注意しなければなりません。
従業員の個人アカウントからの流出
従業員の個人アカウントから企業の情報が流出してしまうこともあります。従業員が自身のSNSで個人や企業を特定できるような内容、または画像や動画に機密情報が写り込んでしまっている投稿は問題であり、企業にとって大きなリスクです。共有された情報が本人の意図しない形で広まるケースも想定されます。そのため、従業員のSNS利用については適切な公表範囲の設定やプライバシーの設定、適切な投稿内容を呼びかけ、徹底した指導が必要です。
不十分なセキュリティ対策
企業のシステムにおけるセキュリティの甘さから、不正アクセスやウイルス感染などのリスクが高まり、情報漏洩へつながるケースもあります。セキュリティ対策を軽視していたり、知識のある人材やセキュリティシステムにおけるコストを十分に割り当てられていなかったりする企業もいまだに存在するのが現状です。不十分なセキュリティ対策では外部から侵入されやすく、情報漏洩が起きるリスクが高まるため注意が必要です。
SNSで情報漏洩を起こさないための対策
情報漏洩を起こさないための対策は次のとおりです。
- ルールを定める
- 調査やモニタリングをする
- セキュリティ対策を強化する
- 適切な人材の確保と配置をする
ルールを定める
情報漏洩のリスクについてポリシーやガイドラインなどでルールを明確に策定し、従業員に遵守させます。個人アカウントのように、踏み込み過ぎるとプライバシー侵害の問題にもなってしまう場合こそ、SNS利用についてのルールが重要です。
データの外部持ち出しも基本的には禁止というルールが理想です。しかし、どうしても必要な場合はロックや暗号化など、手にした人物が簡単に閲覧できないよう工夫する必要があります。ただし、ルールを定める際はあまりにも従業員の負担になるような形では継続が困難になるため、できるだけ利便性を欠かせない形で適切におこなうことが大切です。
調査やモニタリングをする
情報漏洩の主な原因は外部からの脅威よりも内部からの脅威が占める割合が大きいことから、定期的な企業内部の調査やモニタリングが重要です。紛失や置き忘れをはじめ、人的ミスやデータ管理ミスなど、内部からの脅威を洗い出して対策を講じるとともに、重要な情報についての扱い方や従業員の指導も徹底する必要があります。
退職者による情報漏洩も十分注意しなければなりません。また、内部不正検知のサービスも有効です。
セキュリティ対策を強化する
WEBサイトやSNSを活用している場合は、情報セキュリティ対策が必須です。セキュリティ対策にはソフトの導入がもっとも有効であり、外部からの攻撃や内部不正対策などに役立ちます。
セキュリティソフトを導入しても、初期設定のままでは日々進化する脅威を跳ね除けることはできません。セキュリティシステムは定期的にアップデートし、常に最新の状態を保つことで強化されます。また、セキュリティレベルを上げるために専門家のアドバイスを受けることも有効です。
適切な人材の確保と配置をする
セキュリティ対策における人材の確保も重要です。専門的な知識を持つ人材を確保できることが理想ですが、従業員を教育することで適切に管理できる体制を構築することもできます。また、企業で運用するWEBサイトやSNSにおいて、属人的な管理体制である場合は小さなミスにさえ気付かないことも多いため、適切な人材の配置や確保が必要です。
SNSで情報漏洩が発生してしまった場合の対処法
情報漏洩が発生してしまった場合の対処法は次のとおりです。
- 公表のタイミングを考える
- 再発防止に努める
公表のタイミングを考える
情報漏洩が起きてしまった場合は、公表するタイミングが重要です。時間を空け過ぎると隠蔽を疑われ、さらに信頼性が失われる事態となってしまいます。
特に流出されてしまった顧客本人には早い段階で報告し、対応策の説明が必要です。同時にホームページでの公表もおこない、犯罪性が疑われる場合は警察に被害届を提出することも大切です。
再発防止に努める
情報漏洩を起こしてしまっても事業を継続するには再発防止に努めることが重要です。発生した直後は事実確認や被害が拡大しないようシステムを停止し、原因を突き止めるため調査を開始することが大切です。
原因が判明したら復旧作業をおこない、再発防止策を検討します。個人情報保護法に違反していた場合は規定に従い、関係省庁への報告が必要です。 再発防止案には、被害を最小限におさえるための適切な情報管理やマニュアルの策定、セキュリティ対策を十分考慮することが重要です。
まとめ
情報漏洩は企業や個人にさまざまな影響を与え、大きな社会問題に発展する可能性もあります。情報漏洩が起きる原因としてはデータの持ち出しや個人アカウントからの流出、セキュリティ対策の甘さなどが挙げられるため、対応策を考えることが重要です。
個人情報は法律でも定められるほど重要な情報であり、取り扱う際に違反を犯した場合は、刑罰や罰金などの処分を負わなければなりません。外部からの攻撃に備えるのはもちろんですが、企業内部でも従業員の教育をおこない、情報の取り扱いについての知識を高める必要があります。
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