SNSの会社アカウントでうっかり誤爆!?対処法と予防策
- 対策方法
SNS利用に伴うリスク
TwitterやFacebookにLINE…などなど、今や個人でも企業でも情報発信・情報共有にSNSを利用することが当たり前になってきました。しかし便利なモノには、なにかしらのリスクがあるもの。いつでも、どこでも情報を簡単に発信・共有できるということは、それだけミスをしてしまう可能性があるということでもあります。
そして、そのたった一回のうっかりミスが取り返しのつかない事態に発展してしまったり、個人や会社の信用を著しく失墜させる事も決してめずらしくないのです。そんなSNSの恐ろしい『誤爆』について紹介します。
そもそも誤爆とは?
誤爆とはネット上に誤って意図しなかった文章を書き込んでしまうことを言います。
例えばプライベートで使っているTwitterアカウントで自分の趣味の内容を投稿するつもりが、誤って会社の広報用のアカウントで投稿してしまった。といった意図しない別アカウントで投稿してしまう場合がとても多いパターンです。
他にも、会社内の情報共有用にLINEのグループトークを使用していて、そこに誤って自分の奥さんのLINEへ送る内容を投稿してしまった。といった例もそうです。
「田中さん、会社と違って意外と家では亭主関白なんだね」と社内で冷やかされるだけなら、何日か恥ずかしさに耐え抜けばほとぼりも冷めますが、会社の公式アカウントでの誤爆の場合は、日本中どころか世界中に発信してしまう事になり、炎上へと発展することもあります。各方面に多大な影響と迷惑をかけ、個人や会社の今後を変えてしまうほどの事態になる可能性もあります。
次は実際にそんな事態になってしまった誤爆の事例を紹介します。
SNS誤爆の事例
実際に起こった誤爆事例では、2013年にアミューズメント・ゲーム大手のセガの公式Twitterアカウントで意図しない投稿をしてしまい、セガは謝罪ツイートを投稿しました。ところが、インターネット上で情報が拡散されてしまい、いわゆる「炎上」となってしまいました。
また、今年の6月には兵庫県西宮市の公式Twitterアカウントでも意図しない投稿がされ、当初西宮市は「アカウント乗っ取りの可能性がある」と伝えていましたがその後、アカウント権限を持っていた職員の家族が誤って職員のスマホからゲームアプリをダウンロードし、その内容がTwitterに投稿されてしまったとの発表がありました。このように連動アプリから自動で投稿されてしまう誤爆もあります。
出典:神戸新聞 「西宮市ツイッター乗っ取り」職員家族の誤操作原因(2015/6/18)
誤爆してしまったときの対処法
このようなニュースになるような大規模な誤爆のほかにも、小規模な誤爆は紹介しきれないぐらい起こっています。しかし「誤爆してしまった、その時」の対処は大規模でも小規模でも変わることはありません。
まずはなんといっても「削除と謝罪」これは1秒でも早く実行するべきです。該当する投稿が削除可能なものであれば、少しでも影響範囲が小さくなるよう誤爆が判明した時点で真っ先に削除します。
そして不適切な投稿をしてしまったことを謝罪します。大規模な誤爆ではもちろんのこと、小規模であってもインターネットの場合はそれがどんな広がりをみせるかは予想できません。「これぐらいは大丈夫」とか「ほとんど見られてないだろう」などと早計な判断はせず、直ぐに謝罪することです。場合によっては、「対応が早い」という災い転じて…ではないですが、この対応がプラスイメージに働くこともあります。
次に大切なのは騒動が落ち着いた後、「なぜ誤爆が起こったのか」「誰に責任があるのか」「再発防止の対策はどうするか」をしっかりと調査すること。さらに、個別に謝罪すべきところがあるのであれば、その結果を謝罪と合わせて伝えるべきです。
「誤爆ぐらいでおおげさな」と思われるかもしれませんが、SNSによる誤爆はここ数年で増えてきた新しいタイプの「不祥事」です。どれぐらいのリスクになるのかはまだまだ未知数で、起きてみないと分からない、という状況です。
軽率な対応が「火に油を注ぐ」ネット上での炎上へと発展しかねません。いかに小さい被害で食い止めるか、それは代表者や責任者の「意識」次第です。誤爆をただのミスとしてではなく「不祥事」と捉えられるかどうか、それがいざという時の対処に現れるでしょう。
誤爆しないための予防策
かつてはメールの誤送信が多くありました。送信ボタンを押して間違いに気づけばまだ救われますが、相手からの返信で気づけば取り返しはつきません。そうした誤送信に対して確認メッセージが出てくる機能が一般的になりました。
ただし、送る際にいちいち確認メッセージが出るのが面倒くさいと設定を解除する人も多く、誤送信は減りません。SNSアプリでも同様で、設定はあるのに使っていない人は多いでしょう。たいていは投稿したものを削除することが可能です。よって、投稿の共有範囲の設定は最初にどうしても教育しておく必要があるでしょう。誤送信、誤爆をしても許される仲間の設定ですね。それはプロフィール欄についてもいえることで、いつでも「みんなに公開」を考えもなく選択しないようにさせるべきでしょう。
また、1台のPCやスマホで、「私用アカウント」と「公用アカウント」の両方が登録されていると、誤って逆のアカウントで投稿してしまうリスクが増えます。可能であれば、PCからは公用アカウントのみ、スマホからは私用アカウントのみ、といったように物理的・機器的に分けてしまうのも手です。
対策は「ソフト」「ハード」の両面から
しかしながら、SNS誤爆の多くはヒューマンエラーによるものです。いくら注意していても、気を付けていても、間違いを起こしてしまうのが人間です。であれば、あらかじめミスは起こるという前提で、対策する必要があります。公式アカウントからの発信は若い人だけに任さない。会社の公式見解の発信なわけですから、編集や内容は任せても、ダブルチェックを行い、最終投稿ボタンは責任がある人がクリックするぐらいの注意が必要です。
「たかが誤爆」と侮ることはせず「不祥事」と同様に考え、「ソフト」と「ハード」の両面からの予防策を常に考えることが必要です。そのためにも、今のうちから「誤爆意識」を高く持つことがなによりの対策といえるかもしれません。
ネットのトラブルは、いずれも初期の対応が勝敗を決すると言って過言ではありません。とすると企業たるもの、万が一、誤爆をしてしまった場合を想定して対応手順をマニュアル化しておくことを強くお勧め致します。