正当なレビューと名誉毀損の違いを知って、炎上を未然に防ぐ
- 対策方法
あなたは、自社についての批判的な内容がレビューサイトに掲載されているのを見付けたらどうしますか?
「悪評が広まる前にすぐに削除を依頼する」
という方も少なからずいるのではないでしょうか。
しかし、ちょっと待ってください。
実はインターネット上に書かれたレビューには、その内容が批判的だとしても「正当なレビュー」として扱われ、削除依頼をしても対応してもらえないことがあるのです。
今回は、「正当なレビュー」と「名誉毀損」の違いについて考えてみたいと思います。
自分自身や自社にとって、批判的な内容であったからといって、必ずしも名誉毀損になるとは限りません。
正当なレビューと名誉毀損の違いは、どこにあるのでしょうか?
まず、レビューや書き込みの内容を「評価」の部分と「事実」の部分に分ける必要があります。
「評価」とは、書いた本人の主観による感想です。例えば、本や映画やゲームなどの内容に対して「面白くない」「つまらない」といった感想や、食べ物については「美味しくない」といった感想は個人の「評価」であり、表現の自由の権利にも関わる部分なので、基本的には批判的な内容でも名誉毀損にはあたりません。
そしてもう一方の「事実」とは、例えば飲食店では「料理が提供されるまでに○○分も待った」や「料理の中に虫が入っていた」といった客観的に見ても変わることの無い部分です。
この「事実」の部分において、真実と異なる虚偽があり、かつ虚偽によってお店の社会的評価が下がるような場合、名誉毀損が成立します。
しかし、「事実」の部分に虚偽がない場合でも、内容や目的に公益性が無い場合は名誉毀損になり得ます。例えば、社員や店員のプライバシーに関わることなどを批判しているような場合です。
削除申請をする際の注意点
実際に自分の会社について、批判的な書き込みをされた場合、どうすれば良いのでしょうか。
内容が明らかに名誉毀損にあたると判断できる場合は、書き込みをした本人またはサイトを管理しているサーバー会社に対して削除申請をすることができます。
しかし、削除申請をする場合の注意点があります。
悪意を持って書き込まれた場合、記事の削除によって書き込みした本人を刺激することがあります。さらなる書き込みを助長しては元も子もありません。そのあたりを踏まえ、慎重に対応する必要があります。
書き込みが本当に名誉毀損なのかどうか判断が難しい場合は、どうすべきでしょう。
その際は、ネットの書き込みや名誉毀損に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士であれば、名誉毀損にあたるかどうかの判断はもとより、書き込みの削除申請に関しても、弁護士からの依頼という形の方が対応してもらえる確率は高くなります。
書き込みが悪質な場合には、法的手段をとることも可能です。
弁護士を探す手間や、相談料、顧問料などコストはかかりますが、名誉毀損に該当するような悪質な書き込みからの被害を最小限に抑えるためには、早期の対応が大切になります。
批判的な書き込みであれば全て削除できるものではありませんが、名誉毀損など関わる可能性のある最低限の法的知識は身に着けておくべきでしょう。
その上で、書き込みを早期発見し、どのような対応をするかを事前に準備しておけば、被害を最小限に抑えることができます。