命を救え!企業の危機管理の本質と謝罪会見の大きな落とし穴
- 対策方法
- 誹謗中傷
キッチンで揚げ物をしていて、少し目を離したすきに油に火がついたら、どうしますか?
多くの人は咄嗟に火を消そうとします。
その理由は、書くまでもないですが、第一は自分や家族など命を救うため、その次に、自宅や近隣を守るためです。
では、実際に初期消火をすることをイメージしてください。
水をかけることを想像した方、油火災には水は厳禁です!
水を注ぐことで水蒸気爆発が起き、爆発的に火が飛び散り危険なので絶対しないでください。
正しい油火災の消火方法は、ガス台やコンロの火を消し、消火器を使って鎮火です。
もし、初期消火に失敗した場合は、周囲と自身の安全を確保したうえで、すみやかに119番してください。
そもそも火事は起こさないことが第一です。
日頃から火を扱う際は、決して目を離さず、消火器などの準備をしておきましょう。
このように正しい知識をもって準備・対応をすることは、命を守ることにつながります。
同じことが企業の危機管理でもいえます。
命を救う危機管理
まだ記憶に新しいですが、ある企業の不祥事が発覚し、当時の経営者が謝罪会見をしました。
結果、会見での発言によりさらに激しいバッシングを招くことになりました。
そして、因果関係はわかりませんが、数日後にその方は自らの命を絶つという痛ましい結末を迎えました。
心から氏のご冥福を祈るとともに、ここで改めて認識しておかねばならないことは、コンプライアンス順守した企業経営こそが根幹だということです。
先の企業は、法令違反を社内・行政から指摘があったにもかかわらず、放置し、さらには行政に対して、虚偽の報告までもしました。
本件は極端な例ではありますが、いつ何時不測の事態が起き、事業運営・継続の「危機」に直面するかはわかりません。
万一、謝罪会見を開くことになった場合、受け答え次第でバッシングを長期化させるだけではなく、経営者など会見で矢面に立つ個人までも非難の的となる可能性があり、さらには先の企業のように最悪の事態を招くおそれもあります。
まさに、「言葉は人を生かすも殺しもする」ということを肝に銘じておかねばなりません。
このことから、企業は謝罪会見を危機管理のひとつとして捉える必要があるといえます。
なお、危機管理(Crisis Management:クライシスマネジメント)とは、危機的トラブルが起きてから、その影響を最小限にとどめ、なるべく早く正常な状態に戻すよう管理することをさします。
初動が肝心、ただし場当たり的な対応はNG
トラブルが起きた時、まず、現状を確認をします。
現状を押さえなければ、対策が立てられず、場当たり的な対応に終始してしまい、信頼回復とはほど遠い結果を招くことになります。
では、現状把握のため、最低以下の6つのポイントを確認してください。
- トラブルの原因を特定する
- トラブルの原因を特定後、経緯や背景を把握する
- トラブルは法令や社会規範、内規の違反にあたるか否か
- トラブルの影響範囲の把握
- ネットなどでどのような批判がなされ、批判内容の事実確認
- 従業員などステークホルダーに実害が出ていないかヒアリング
なお、ソルナでは『ネットトラブル基本対応フロー』について資料をご用意しています。
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では、事実確認ができ、仮に謝罪会見を開く必要があると判断した場合、いったいどのようにしたらよいのでしょうか。
この誤解が大きな落とし穴
謝罪会見をする時、登壇するのは経営者であることが多いでしょう。
経営者の方がよく誤解しているのは、「謝罪会見では、自身の考えを素直に述べ、謝罪すればよい」ということ。
この誤解が大きな落とし穴となります。
企業の謝罪会見は、個人が謝罪する場ではなく、企業として公式に謝罪する場なのです。
ここでのセオリーは、個人から個人への謝罪とは異なります。
個人と企業を切り離し、あくまで企業を代表する役目を担って謝罪し、対社会に対して抑制をもって臨むと意識することが大切です。
しかし、すぐ実践にうつせる人はほぼいません。
ここで、「謝罪会見 方法」とネット検索をしてみてください。
多くの情報が出てきます。
これらすべてを過度の緊張にさらされ、思いもしなかった質問や揚げ足ともとれる質問が矢継ぎ早にされるかもしれない会見会場で、最後まで冷静に対応できる人はどれだけいるでしょうか。
セリフを覚えないまま舞台に立つ役者がいないように、どんなに優れた営業でも何も準備せず商談に向かう人がいないように、謝罪会見という舞台には事前の準備が必要です。
ただし、いくら会見の準備をしたとしても万人を満足させることは不可能です。
ここで重要なのは、少しでも事態を鎮静化できればよいのです。
決してうまくやる必要は一切ありません。
必要最低限のテクニックで実践し、役目を果たせば成功です。
もし、自社だけでは不安な場合は、メディアトレーニングをしてくれるリスクマネジメントや広報の専門家の力を借りる手段を確保しておくのもおすすめです。
また、それより前の段階で、ソルナといったネットの風評被害対策の専門会社にTwitterなどのSNS監視を依頼し、トラブルの火種を迅速に摘み取る対策もおすすめします。
ソルナでは、上記以外も広くお力になれるサービスをご用意しています。
ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
決して、個人がすべて背負うのではなく、社員全員でトラブルを乗り越えていくために、危機管理に取り組むことが大切です。
それが引いては、命を救うことになり、それこそが危機管理の本質です。
■【ソルナ株式会社】ネットトラブル基本対応フロー