デジタルタトゥーの事例とは?削除方法と残さないための注意点は?

デジタルタトゥーとは、公開した投稿を簡単には消せないという意味の造語です。デジタルの発展により多くの人がインターネットを利用する機会が増えました。企業でもデジタル化は進み、WEBサイトやSNSを広告活動とマーケティングに役立てています。

しかし、発信した情報が意図せず誹謗中傷を受けたり、悪用されたりする事例も年々増えているため、情報発信には細心の注意を払わなければなりません。インターネットを活用する際は、デジタルタトゥーが企業に及ぼす影響を十分に理解し、さまざまな事例をもとに被害にあった場合の対応策を講じておく必要があります。

デジタルタトゥーとは

デジタルタトゥーとは、公開した投稿を簡単には消せないという意味であり、体に刻まれたタトゥーが由来の造語です。デジタルタトゥーは、後悔してもどうにもならないという意味もあるため、投稿内容は企業や個人にとって良い情報ではなく、拡散されたくない情報です。

以前はネット掲示板などに残されたテキスト形式のものがデジタルタトゥーとして残ることが多くありました。しかし、現代では写真や動画など、画質が鮮明な情報も多くなっているのが特徴です。

デジタルタトゥーの恐ろしさ 

デジタルタトゥーの恐ろしさは、企業や個人にとって不利益な情報が長期間インターネット上に残り続けてしまうという点です。また、企業や個人の力だけではなかなか削除し切れないという点も恐ろしさであり、一旦落ち着いたと思えてもどこからか再び現れ、何度も苦しめられることもあります。

投稿を閲覧したユーザーがコピーやスクリーンショットなどによって個人的に保存しているものに関しては削除することが不可能に近いため、削除は簡単にはできません。一度公開した情報をコントロールすることは非常に困難になるため、その危険性を十分に理解したうえで情報発信をする必要があります。

デジタルタトゥーの事例

デジタルタトゥーの事例は次のとおりです。

  • 誹謗中傷やデマ
  • 個人情報の流出
  • 犯罪や逮捕歴
  • 悪ふざけ(バイトテロ)
  • リベンジポルノ

誹謗中傷やデマ

誹謗中傷をした側もされた側も一度投稿してしまった情報はデジタルタトゥーとして残り続けます。悪質な場合は個人情報を特定され、デジタルの世界だけでなく、現実の世界でも嫌がらせを受けるケースもあり、一度騒ぎになると簡単に事態は収束しません。身に覚えのないことも拡散されることに対して、反論するべきか放置しておくべきかの判断も難しく、精神的に長期間苦しめられることになります。

個人情報の流出

個人情報の流出によるデジタルタトゥーも多くの事例があります。流出の原因のひとつは、投稿内容に問題がないと思えても、挿入された画像や動画などに個人情報が特定できる部分が潜んでいるケースです。そのほか、位置情報の設定をオフにしていない状態で撮影や投稿をおこなった場合も個人情報の流出につながります。

個人情報の流出は意図せず掲載してしまっていることも多く、企業の機密情報なども流出させてしまう可能性があるため十分注意が必要です。個人情報の流出によるデジタルタトゥーは、そのまま犯罪や迷惑行為に発展する事例も年々増えていることが大きな問題となっています。

犯罪や逮捕歴

過去の犯罪や逮捕歴などで実名報道されてしまい、デジタルタトゥーとして残り続けてしまうこともあります。逮捕後に不起訴になった場合は前科にならないものの、逮捕された時点での実名報道だけが残り続けてしまうため、削除申請の多い事例です。犯罪や逮捕歴に関するデジタルタトゥーは、その後の将来に大きな影響を及ぼすことになるのは間違いありません。

悪ふざけ(バイトテロ)

社員やアルバイトによる悪ふざけの投稿も年々大きな問題になっています。他人からの注目を集めたいといった軽い気持ちでおこなったことが、のちに取り返しのつかない事態に発展するケースが多い傾向にあります。

バイトテロと呼ばれる行為はほとんどが見る人を不快にさせるものであり、悪い意味で大きく注目されるうえに拡散されやすいです。結果的に大炎上することで問題を起こした個人のみならず、企業側も多くのバッシングを受ける事態となりかねません。軽はずみな行動が企業に大損失をもたらすのです。

リベンジポルノ

リベンジポルノによるデジタルタトゥーとは、別れた交際相手や配偶者などの嫌がらせでインターネット上にわいせつな画像を上げられ、永遠に残ってしまうことです。また、有名人の性的な画像などが流出することもあり、その場合は注目度が高く、拡散されやすいためイメージダウンとなり契約違反といった罰金を請求されていることもあります。

デジタルタトゥーを削除する方法

デジタルタトゥーを削除するには次のような段階を踏んでおこないます。

  1. 投稿を削除する
  2. サイト管理者に削除を依頼する
  3. 専門業者に依頼する
  4. 弁護士に依頼する

投稿を削除する

まずは企業や個人がみずからデジタルタトゥーの原因となっている投稿を削除することです。投稿した本人であれば簡単に削除できます。

過剰に気にし過ぎている場合もあり、投稿を削除することによってそのまま落ち着くケースもあるため最初に取り組む方法です。しかし、投稿を削除できたとしても、閲覧していた不特定多数の人が個人のスマホやPCなどに保存されている場合は完全に削除し切ることはできません。

サイト管理者に削除を依頼する

デジタルタトゥーを削除しても他者から再び情報が流出してくるなどの事態となった場合は、サイト管理者に削除してもらう方法を取ります。ただし、サイト運営者によっては対応してもらえない場合や削除依頼があったことを公表する場合もあり、かえって風評被害が拡大してしまう恐れもあるため注意が必要です。

弁護士に依頼する

どんな対策をおこなっても、一向に騒ぎがおさまらない場合は弁護士に依頼し、法的な対応をしてもらう必要があります。誹謗中傷は匿名性を悪用してエスカレートしやすい傾向にありますが、弁護士の開示請求によって誹謗中傷した相手を特定することが可能です。そのため、きちんとした手続きを踏めば法的に止めることが可能となります。

専門業者に依頼する

誹謗中傷や風評被害などの対策を請け負っている専門業者に依頼することで、削除以外の方法でデジタルタトゥーを世間に広めない方法もあります。

検索エンジンの仕組みを利用して、ネガティブな情報を検索上位に上げさせない対策を施してくれます。また、時間が経過しても再び現れる場合に備えて、インターネット上を定期的にパトロールし、企業や個人にとってネガティブな情報を徹底的にクリーンにする取り組みを導入します。

デジタルタトゥーを残さないための注意点

デジタルタトゥーを残さないための注意点は次のとおりです。

  • 情報発信は慎重におこなう
  • 早期に対応する

情報発信は慎重におこなう

デジタルタトゥーを残さないために、情報発信については慎重におこなう必要があります。不特定多数の人が読んで不快になるような投稿内容になっていないか、個人情報や企業の機密情報などが潜んだ投稿になっていないかなど、投稿する前に十分確認することが重要です。

早期に対応する

十分に確認してからの投稿を心がけていても、デジタルタトゥーとなってしまった投稿については放置しておけばおくほど炎上が拡大するため、良い方向へはいきません。デジタルタトゥーは手に負えなくなる前の早急な対応が重要です。企業におけるSNS利用についてもしっかりしたルールの取り決めやモニタリングなどをおこない、従業員の個人アカウントの取り扱いにも十分注意が必要です。

まとめ

デジタルタトゥーとは、タトゥーに比喩された表現で公開した情報を簡単には消せないという意味の造語です。デジタルタトゥーの事例として、誹謗中傷や個人情報の流出、悪ふざけによるバイトテロなどがあり、そのほかにも犯罪や逮捕歴の公開やリベンジポルノなどが挙げられます。デジタルタトゥーをインターネット上に残さないためにも、炎上や流出などにより情報が拡散してしまう前に、できるだけ早い段階で対策を準備しておくことが重要です。

参考URL

https://www.cosmopolitan.com/jp/entertainment/internet/a43549587/digital-tattoo
https://www.cosmopolitan.com/jp/entertainment/internet/a43549587/digital-tattoo
https://myethicalchoice.com/journal/sustainable/digitaltattoo
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