ネット炎上事例と対処法を紹介
- 対策方法
- 風評被害
企業における広報やマーケティング活動にSNSを活用する機会が増え、企業側とユーザー側の双方にとって利便性の高い時代となりました。一方で、炎上という大きなリスクを抱えることにもなったため、多くの企業では炎上のリスクに備えたリスクマネジメントへの取り組みが進んでいます。ただし、炎上のリスクを完全に回避することはむずかしいため、炎上が発生しても被害を最小限におさえるための対応策を講じておくことが重要です。
ネットで起こる炎上とは
インターネットにおける炎上とは、SNSで発信された特定の投稿に対して、多くのユーザーから批判的、攻撃的なコメントが集中することです。ある話題に対してユーザーどうしが議論する状態も炎上を意味します。
SNS以外の例だと、企業のWEBサイトに掲載されているコンテンツや商品への不満が投稿されるケースが該当します。炎上が発生すると簡単にはおさまらないため、企業は炎上のリスクを常に意識した情報発信を心がけることが重要です。
ネットで起こる炎上の原因
インターネットで起こる炎上の原因は次のとおりです。
- 顧客からのクレーム
- 不適切な投稿
- 誤った投稿内容
顧客からのクレーム
顧客が自身のSNSやブログなどで企業に対するクレームを発信し、炎上するケースが数多く見られます。たとえば、顧客が食品への異物混入を画像付きで投稿したり、来店した際にスタッフの不適切な対応の動画を投稿したりする事例があります。
こうした投稿は拡散されやすく、炎上につながる大きな原因です。また、企業の問い合わせフォームに問い合わせても返答が遅い、電話がなかなか繋がらないなどの不満からクレームが発生することもあります。
不適切な投稿
ネットにおける炎上の原因として、顧客からのクレームの次に多いのは不適切な投稿によるものです。バイトテロによる迷惑動画や差別的な発言、ステマ行為など、多くのユーザーが不快な思いをするような投稿は高い確率で炎上します。このような投稿は、目立ちたいや注目されたいという身勝手な欲求によるものも多い傾向にあります。
誤った投稿内容
企業の公式TwitterやLINEアカウントから発信した情報が、誤った内容であることから炎上が発生します。企業の情報発信は特定の担当者のみで判断している場合もあり、誤った内容であると気付かない場合があるため注意が必要です。また、自社の情報を視聴するユーザーは多種多様であることから誤解を生んでしまう可能性もあります。
ネットで起こる炎上の事例
ネットで起きる炎上の事例は次のとおりです。
- 顧客からのクレーム
- ステマ行為
- 薬機法違反
- バイトテロ
- 従業員による情報流出
顧客からのクレーム
顧客からのクレームの事例として毎年多く見られるのが食品への異物混入です。スポーツ栄養食品を販売する企業の食品に虫が混入していたとして、顧客が投稿したことがきっかけである企業が炎上しました。
企業側は謝罪文を掲載したものの、企業側に落ち度はないというような内容であったため、2次炎上となった事例です。毎年事例の多い異物混入は、それほど防ぐことが困難であると思われますが、事後対応の悪さから再度炎上を招く結果となり、企業のイメージは失墜しました。
ステマ行為
ステマ(ステルスマーケティング)とは、ユーザーに広告宣伝であることを明記しないまま商品やサービスの宣伝をすることです。ステマ行為による炎上が話題となり始めたのは、有名人が宣伝であることを明確にせず、ブログやSNS上でプロモーション活動をおこなっていたという事例からです。そのほか、口コミサイトに高評価の投稿を依頼する事例もあり、いずれもユーザーを騙した購買活動であると批判され、炎上につながりました。
薬機法違反
医薬品の製造や販売などに関する法律である薬機法に違反するような行為は、ユーザーの健康を害する可能性もあるため深刻な問題です。医療健康情報のサイトを立ち上げた有名大手企業の事例では、サイトに掲載された健康に関する情報のほとんどが誤ったものであったことが発覚し、炎上しました。
掲載された記事は医療の知識を持たないライターが執筆していただけでなく、専門家の確認も受けずに掲載されていたものです。人の健康を脅かすような行為は多くのユーザーから非難され、薬機法違反の疑いもあるとして調査を受けたこともある事例です。
バイトテロ
従業員やアルバイトによる不適切な動画投稿は、バイトテロやバカッターという用語が生まれるほど有名なものになりました。コンビニのバイトテロでは商品の投げつけ、つまみ食いなどの動画や、防犯カメラの悪用といったものが挙げられます。
飲食店では床に落とした商品を盛り付けている動画や、食洗機に入り込む姿などを投稿し、大炎上しました。このような悪ふざけ動画は売上や来店数の激減につながり、企業にとって大ダメージとなります。
従業員による情報流出
従業員の個人アカウントによる投稿が炎上の原因にもなります。これまでも、ホテル従業員や引越し業者のアルバイトが個人のSNSなどで有名人の個人情報を流出させ、炎上になる騒動は数多くありました。従業員のこのような行為は、教育が不十分であるという理由から企業側も批判の対象になりやすく、炎上が企業アカウントに発展する事態となります。
ネットで起こる炎上の対処法
インターネットで起こる炎上の対処法は次のとおりです。
- 原因の究明
- 真摯な対応
原因の究明
炎上には必ず火種となった投稿が存在するため、何より迅速な原因究明をおこなうことが先決です。そのうえで経緯の説明や謝罪対応などをおこなっていきます。炎上は適切な対応が今後の信頼回復に大きくつながるため、原因が分からないまま慌てて投稿を削除したり、一貫性のない対応を続けたりすることは避けなければなりません。
真摯な対応
原因が判明したら関係する企業やユーザーに経緯の説明や今後の対応についての報告をおこないます。特に顧客からのクレームに関する対応は重要であり、企業側に落ち度はないという態度で強く否定するのは避け、認識を改める態度も必要です。
また、感情的な反論はさらなる炎上を招くため、静観すべきかも検討したうえで真摯に対応することを心がけ、速やかな収束に努めることが重要です。社内だけのリソースでは対応しきれない場合は、風評被害対策会社に依頼して、適切な処置をしてもらうこともできます。
まとめ
インターネットで起きる炎上は企業にとって大きな悪影響を及ぼすため、WEBサイトやSNSの運用には細心の注意を払わなければなりません。炎上する原因には顧客からのクレームや不適切な投稿、誤った投稿内容などがありますが、従業員のSNSまでも規制することはむずかしく、すべてを完全に回避することは困難です。
そのため、企業側ではさまざまな事例を参考に炎上対策をしたうえで、発生してしまった時の事後対応のあり方を十分考えておかなければなりません。重要なのは炎上を早期に発見し、原因の明確化と冷静な分析、関係者に対して真摯な対応を心がけることです。
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