デジタルタトゥーの消し方と未然に防ぐ方法について紹介

デジタルタトゥーとは個人や企業にとって不利益である情報がインターネット上に残り続けてしまう状態を意味します。個人のSNSアカウントで発生するケースが多く見られますが、企業の公式サイトやSNSでも十分起こり得ることです。

デジタルタトゥーが企業に及ぼす悪影響は大きいため、該当する投稿を発見した際には早めの対処が必要です。しかし、一度デジタルタトゥーとして残ってしまったものを簡単に消すことはできず、解決には多くの時間を要するため、何よりもデジタルタトゥーを生み出さない対策が重要です。

デジタルタトゥーとは

デジタルタトゥーとは、個人や企業にとって不利益である情報がインターネット上に残り続けてしまう状態を意味します。体に刻んだタトゥーのように、消したくても簡単には消すことができない過去の投稿のことです。

文章による投稿だけではなく、画像や動画によるデジタルタトゥーも多く見られ、写真に写りこんだ背景から住所や勤務先が特定されてしまうケースも増えています。また、社員のデジタルタトゥーが原因で企業への誹謗中傷や炎上に発展してしまうこともあるため、社員の個人アカウントにおいても注意が必要です。

参考:消せないデジタルタトゥーの危険性、「被害者にも加害者にもならない」対処法(東洋経済 ONLINE)

デジタルタトゥーが企業に及ぼす悪影響

デジタルタトゥーが企業に及ぼす悪影響は次のとおりです。

  • 企業イメージが低下する
  • 採用が困難になる
  • 誹謗中傷を受ける

企業イメージが低下する

デジタルタトゥーによって企業のイメージは大幅に低下することが予想されます。特にバイトテロや個人情報の流出、違法行為など、マイナスイメージでインパクトの強い投稿は大きなダメージとなります。また、一度失ってしまった信用を取り戻すには長い時間を要し、銀行や取引先もトラブルを避けるために関係を断ち切るなどの行動を起こすことも予想されます。

採用が困難になる

デジタルタトゥーによって求職者の減少も考えられます。2023年の現代では、企業側が求職者の情報をインターネット上で検索することができる一方で、求職者側もまた容易に企業の情報を得ることができるためです。さらに、離職者が増える可能性もあり、深刻な人材不足に陥ってしまうと事業継続も困難になります。

誹謗中傷を受ける

デジタルタトゥーによって誹謗中傷を受けることも考えられます。投稿を削除し、解決したかに思われても、再び注目されて誹謗中傷が繰り返されることも少なくありません。これまで関わりのなかったユーザーからもバッシングを受ける可能性もあり、収束するまでには長い期間を要します。

デジタルタトゥーの消し方

デジタルタトゥーを消す流れは次のとおりです。

  1. アカウントの削除
  2. 投稿者に削除依頼
  3. サイト管理者に削除申請
  4. 専門家に相談

アカウントの削除

企業や個人の投稿がデジタルタトゥーとなっている場合はみずから削除し、多くの人の目に触れさせないことが重要です。アカウント内のデータが失われて困る場合には削除前に必ずバックアップが必要です。しかし、正しい手順で自ら削除できても、スクリーンショットやコピーでデジタルタトゥーを保存されているケースも多く、別の場所から第三者によって再び拡散される可能性もあるため対策が必要です。

投稿者に削除依頼

デジタルタトゥーに該当する投稿者が特定できている場合はDM機能やコメント欄で直接メッセージを送り、削除して欲しい旨を伝えることが大切です。しかし、投稿者が無反応だったり、削除依頼に応じてもらえなかったりすることも少なくありません。また、直接やり取りするなかでトラブルになるケースもあるため、企業だけの対応だと厳しい場合は、風評被害対策会社や弁護士などに対応を依頼することも可能です。

サイト運営者に削除依頼

投稿者が分からない場合や投稿者との直接的なトラブルを避けたい場合はサイト運営側にデジタルタトゥーの削除を依頼する方法もあります。多くのプラットフォームでは連絡先や報告の方法などを提供しているため、問題が起きた場合を想定して事前に利用規約の確認は必須です。利用規約の違反が認められれば適切に対応してもらえますが、状況が曖昧で違反と判断されなければ対応してもらえないこともあります。

専門家に相談

デジタルタトゥー問題をみずから解決できない場合や早急に解決したい場合は、費用はかかりますが風評被害対策会社や弁護士などの専門家に相談して対応してもらうのが得策です。個人や企業で対応するよりも専門的な知識を持った弁護士であれば迅速な対応が期待できます。ただし、弁護士に対応してもらえたとしても、デジタルタトゥーを完全に削除することができない場合もある点に注意が必要です。

デジタルタトゥーを削除依頼する際の注意点

デジタルタトゥーを削除依頼する際の注意点は次のとおりです。

  • 違法行為に注意する
  • 費用対効果を確認する

違法行為に注意する

デジタルタトゥーや誹謗中傷など、インターネット上のトラブル問題に対応する専門業者も増えており、弁護士の補助的な業務をおこなっている業者も増加傾向にあります。しかし、このような専門業者が削除請求や裁判所手続きなどを直接おこなうことは違法行為に当たります。そのため、違法行為に当たる部分まで請け負っている業者については十分に注意が必要です。

費用対効果を確認する

デジタルタトゥー問題を専門業者や弁護士に相談する場合は費用がかかるため、事前に複数の候補を調べて比較検討することが大切です。相談料や着手金をはじめ、解決までに時間がかかる場合は費用がどんどん膨らんでしまうことが予想されるため、入念に選定する必要があります。また、デジタルタトゥーはどこまで費用をかけて対応しても完全に消し去ることは不可能であることを忘れてはいけません。

デジタルタトゥーを未然に防ぐ対策法

デジタルタトゥーを未然に防ぐ対策法は次のとおりです。

  • 投稿内容に気を付ける
  • 制限をかける 
  • 社員教育を徹底する

投稿内容に気を付ける

デジタルタトゥーを未然に防ぐには、第一に投稿内容を複数人の目で十分確認することです。担当者の独断で作成した投稿はミスを見落としてしまう可能性が比較的高いため、必ず投稿前に複数人の目でチェックします。投稿を見ているユーザーは不特定多数であり、決して自分と同じ価値観の人ばかりではないことを念願において作成することが重要です。

制限をかける

投稿内容に気を付けていたにもかかわらず、意図せずデジタルタトゥーとなってしまうケースもあるため画像や動画を投稿する際は、入り込む背景にも十分注意が必要です。撮影時はスマホの位置情報をオフにし、撮影場所や日時においても企業や個人が特定されてしまわないよう機能を無効にしておくことが大切です。

社員教育を徹底する

デジタルタトゥーは企業アカウントだけではなく、社員による個人アカウントにも十分に注意が必要です。デジタルタトゥーが企業や個人に及ぼす影響がどれほどのものか、どのように対処すべきなのかをしっかり理解させ、ルールを遵守させます。また、SNSの利用を監視するソフトの導入も有効です。

まとめ

デジタルタトゥーとは個人や企業にとって不利益である情報がインターネット上に残り続けてしまうことです。削除する場合は、投稿者本人やサイト管理者に削除依頼したり、専門家に依頼したりする方法がありますが、完全に消し去ることができないこともあります。一度デジタルタトゥーが発生してしまうと、企業のイメージ低下や採用問題、誹謗中傷の対象になるなど、さまざまな悪影響を及ぼすため、何よりも発生させないための対策が重要です。

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