SNSに悪口書く人の心理とは?悪質な投稿への対策法も紹介

SNSに企業や個人の悪口を書き込む行為は大きな社会問題になっており、年々増加しています。テレビや新聞などでSNSの誹謗中傷による痛ましいニュースも大きく取り上げられていますが、悪質な書き込みは絶えません。

SNSでの悪口で被害を受けないためには、悪口を書き込んでしまう理由や投稿者達の心理を理解し、そのうえで対策する必要があります。また、万が一に被害を受けた場合にも、やってはいけないことや対処法を講じておくことが重要です。

SNS上に悪口を書き込む人が多い理由

SNSの特徴である匿名性や怒りの感情のはけ口にされやすい点が、悪口の書き込みを促す要因であると考えられます。匿名性であることで自分の発言に対する責任感が弱まり、多くの人がSNSは自分の感情を自由に発散できる場所と捉えがちです。

特に企業や有名人に対しては直接的な関わりがないことや立場的に相手が下手に出てくることが予想されるため、気持ちが大きくなり、悪口を書くことに罪悪感も薄れる傾向があります。また、SNS上に悪口を書き込む人は、他人と比較しがちな人、固定観念の強い人、流されやすい人などに多いのが特徴です。

参考 : インターネットトラブル事例集(総務省)

SNS上に悪口を書き込む人の心理状態

SNS上に悪口を書き込む人の心理状態は次のとおりです。

  • 嫉妬
  • ストレス解消
  • 正義感
  • 集団的心理
  • 個性や多様性に対する抵抗

嫉妬

SNS上に悪質な悪口を書き込む人は、強いコンプレックスを抱え、他人に対する嫉妬から行為に及んでいるケースが多く見られます。嫉妬心から他人を攻撃する人は、自分より幸せな人を見ると怒りや焦りなどの感情が生まれる一方で、相手が困ったり悲しんだりしている姿を見ることで感情が満たされる心理となるのが原因です。

また、企業間ではライバル会社の成功に嫉妬し、悪口を書き込んで評判を落とそうとするケースも見られます。場合によっては行動が悪化する可能性もあるため注意が必要です。

ストレス解消

SNSに企業や個人の悪口を書き込むことで、自分の不満や怒り、不安などを解消している人も一定数います。対象としている企業や人物に対して、特に興味や関心があるわけではないにもかかわらず、対象相手を攻撃することでただ単にストレスを発散しているケースです。自社の取り組みだけでは対処しきれない部分であるため、都度適切な対応が必要です。

正義感

なかには自分の意見は正しいと疑わず、他人の誤った考えを正そうという正義感から、攻撃的な投稿をしているケースもあります。自分の価値観に絶対な自信を持っており、反する意見に対して言葉や行動が攻撃的になってしまうケースです。

また、コロナ禍において、感染者の住所や職場を突き止め、ネット上で晒すという行為が数多く見られました。このような行為はみんなのためにやっているんだという歪んだ正義感によるものが多い傾向にあります。

集団的心理

集団的心理として、みんながやっているからという理由でSNS上に悪口を書き込んでいる人も存在します。特に自分の強い思いはなく、単に周りの人達に流されているだけというケースです。

また、自分が始めたことではなく、誰かがやり始めたことで二番目以降は目立たないだろうという心理も働いています。

このような行為のなかには集団攻撃することで企業が社会的信頼を失い、企業の業績が傾いたり、倒産に追い込まれたりするケースも見受けられ、非常に悪質です。

個性や多様性に対する抵抗

SNS上に悪口を書き込む人のなかには、他人の個性や多様性を受け入れられないタイプも多い傾向にあります。先入観が強かったり、他人を偏見の目で見ていたりする人は、新しいことを受け入れられず、逆に排除しようと攻撃的な行動を起こす可能性があります。

SNS上で悪口を書き込まれてもやってはいけないこと 

SNS上で悪口を書き込まれてもやってはいけないことは次のとおりです。

  • 感情的な返信をしない
  • 仕返しをしない
  • 自尊心を低下させない

感情的な返信をしない

SNS上で被害を受けたとしても感情的になるのではなく、冷静な対処を心がける必要があります。感情的な返信をすることで返って被害が大きくなる場合があるためです。

これまでも企業や有名人が感情的に反撃して騒ぎが大きくなったケースは多いため注意が必要です。まずは冷静になり、事態を悪化させないように様子を見る必要があります。

仕返しをしない

被害を受けても感情的にならないことと同様に、仕返しとして加害者と同じ行為をしてはいけません。SNS上に悪口を書き込む行為は誹謗中傷であり、名誉毀損罪や侮辱罪に問われることがあります。このような罪に問われると懲役や罰金の対象となり、企業や個人にとっても大きなダメージとなるため注意が必要です。

自尊心を低下させない

悪口を言われれば誰でも気持ちは落ち込みますが、自尊心を低下させる必要はありません。自尊心の低下は日常生活や仕事、人間関係にも大きく影響を及ぼし、すべてがネガティブな方向へ向いてしまいます。従業員がこのような状態に陥った場合、自尊心を高めるために企業での適切なサポートや専門家にアドバイスを受けるなどの取り組みが必要です。

SNS上で悪口を書き込まれた時の対処法  

SNS上で悪口を書き込まれた時の対処法は次のとおりです。

  • 無視する
  • 投稿の削除申請をする
  • 専門家に相談する

無視する

SNS上で悪口を書き込まれたとしても、広く拡散されていない場合は、そのまま相手にしないことも対策のひとつです。こちらが反応して相手にすると相手もヒートアップし、状態が悪化する可能性があります。まずは投稿者のアカウントをブロックしたり、通告したりするなどして冷静に対処することが得策です。

投稿の削除申請をする

SNS上の悪質な書き込みが拡散されてしまった場合は、企業が大きなダメージを受ける前に投稿の削除を依頼します。投稿者が特定されている場合は本人に、分からない場合はSNS管理者に削除を依頼し、なるべく多くの人の目に触れさせないようにすることが重要です。

専門家に相談する

自社の知見だけで対処できない場合は、専門家に依頼することが得策です。風評被害対策会社では、誹謗中傷や悪質な投稿へさまざまな対策をおこなっています。企業や個人で対応するよりも迅速な対応が期待できます。

また、あまりにも悪質な投稿や、従業員、顧客の個人情報まで特定して攻撃してくる場合など、法的にも問題のある投稿に関しては弁護士に相談することも可能です。実際に企業や従業員に損害が出ている場合には民事事件として損害賠償請求もできます。

まとめ 

SNSの特徴である匿名性は、悪口の書き込みが多い要因のひとつです。匿名性であることで悪質な投稿への責任感や罪悪感が薄れ、攻撃的な心理状態へとつながります。しかし、被害を受けた企業や個人が投稿者に対して感情的になったり、仕返しをしたりする行為は罪に問われることもあるため得策ではありません。

万が一、被害を受けた場合は感情的にならず、まずは冷静になり、そのうえで改めて対処法を考えることが大切です。また、実際に損害が出ている場合には法的措置も検討し、正当な対応をおこなう必要があります。

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