風評被害とは根拠のない噂やデマによる経済的損害!種類や企業への影響をわかりやすく解説

SNSは有益な情報を多くの人に届けられる一方で、誤情報が拡散されると風評被害につながるリスクがあります。風評被害は企業に対してさまざまな悪影響を与えますが、発生原因や改善方法までは詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、風評被害の定義や誹謗中傷との違いについて詳しく解説します。種類や企業に与える影響なども紹介するので、広報担当の方はぜひ参考にしてみてください。

風評被害とは?誹謗中傷との違いも解説

風評被害とは誤情報が広まることにより、企業が被る経済的・社会的損失の総称です。具体例として、事実とは異なる内容がSNSで拡散されることで、企業やブランドのイメージが悪くなったり、顧客離れによって売上が低下したりするケースが挙げられます。また事件や事故が発生した後に、メディアの偏った報道で世間に誤解を与えてしまう場合もあります。

一方、誹謗中傷は企業の根拠のない悪口を他人に言いふらして名誉を傷つけることです。風評被害は誤情報が元であるため意図性がないケースもありますが、誹謗中傷は明確な悪意を伴う点で異なります。どちらも企業に大きな悪影響を与えるため、徹底的に対策を行うことが重要です。

風評被害の5つの種類

一口に風評被害と言っても、起こる原因はさまざまです。ここでは、風評被害の以下5つの種類を詳しく見ていきましょう。

  • マスメディアによる風評被害
  • SNSによる風評被害
  • 統計データによる風評被害
  • 事件や事故による風評被害
  • 企業の説明不足による風評被害

近年では、あらゆる企業が風評被害を受ける可能性があります。種類ごとの風評被害の実態を把握することで、効果的な対策を立てられるようになります。

マスメディアによる風評被害

テレビや新聞などのマスメディアは影響力が高い一方で、誤った情報や偏った報道が風評被害を引き起こす可能性があります。事実とは異なる自社にとってネガティブな内容が報道された場合、企業に対する世間のイメージは悪くなります。

マスメディアはSNSよりも信頼性が高く、たとえ事実でなくても信頼できる情報として広まりやすいのが特徴です。また誤情報ではないにしても一方的な立場からの見解などにより、人々に誤解を与えてしまうケースもあります。

SNSによる風評被害

近年はSNSが普及したことで、X(旧Twitter)やTikTokによる風評被害も増えています。SNSは誰でも情報を発信できる一方で、虚偽の内容も数多く出回っています。また拡散力が高く、誤情報も一気に広まってしまうのが特徴です。

個人が投稿したデマが拡散され、多くのユーザーに事実として扱われることで風評被害は発生します。情報が事実でなくても、風評被害で失った信頼やイメージは簡単には取り戻せません。そのため企業は日頃から対策を講じ、風評被害のリスクを最小限に抑えることが大切です。

統計データによる風評被害

公的機関や専門機関によって公開された統計データが、風評被害を招くケースもあります。機関の意図とは異なる解釈をした人が、SNSに投稿したり人に話したりするのが主な原因です。誤った認識を持ったまま共有してしまうことで、結果的に風評被害が発生します。そのため公的機関や専門機関が統計データを公開する際は、正確性はもちろん適切な解釈を促す文章も必要です。

事件や事故による風評被害

事件や事故が、自社の風評被害につながってしまう場合もあります。事件や事故は人々の不安を高めるため、風評被害が発生しやすくなるのが特徴です。代表的な例として、原子力発電所の事故による風評被害が挙げられます。事故から10年以上経った現在でも、風評被害はなくなっていません。

放射能汚染の恐れがあるという理由で、福島県産の食品の購入をためらう方は一定数存在します。事件や事故に基づく風評被害は避け難く、自社だけでは解決できないケースがほとんどです。そのため、同業他社や行政と協力して対策していくことが求められます。また風評被害対策に特化した業者に依頼し、効果的な施策を検討するのも有効です。

企業の説明不足による風評被害

SNSや掲示板で誤情報が広まったときに、企業が事実を説明しないと事態がさらに悪化してしまう可能性があります。なぜなら世間は「説明がない=認める」と受け取る人が多いからです。また情報の正誤について説明したとしても、証拠がないと説得力が弱いため人々の不安を払拭できません。

原子力発電所の事故で発生した風評被害は、企業の説明不足が1つの原因と言われています。事故後に健康被害に関する情報やデータを発信していたものの、精査したうえで分かりやすく世間に説明できなかったためです。

その結果、さまざまなデマ情報や憶測が広まり、風評被害が拡大してしまいました。出回っている情報が事実でない場合は、証拠とともにしっかり否定することが大切です。風評被害は時間が経つほど損害が大きくなるため、企業は迅速な対応が求められます。

風評被害が企業に与える4つの影響

風評被害は、企業に対してさまざまな悪影響を及ぼします。ここでは、風評被害が企業に与える以下4つの影響について詳しく見ていきましょう。

  • 企業・ブランドイメージが悪くなる
  • 新規取引への悪影響
  • 顧客離れにより売上が低下する
  • 株価が下落する
  • 優秀な人材を確保しづらくなる

適切な対策を講じるためには、風評被害による企業への影響を理解しておく必要があります。効果的な施策を打つことで、風評被害のリスクを最小限に抑えられます。

企業・ブランドイメージが悪くなる

「商品の欠陥」や「社内のハラスメント」などが拡散されると、根拠のない噂や誤情報であっても企業やブランドのイメージが悪くなります。企業がどれだけ良い製品・サービスを提供していても、一度損なわれたイメージを簡単に取り戻すことはできません。一般的に、企業やブランドのイメージは長期間にわたって作り上げるものです。

風評被害によって植え付けられたネガティブなイメージを払拭するためには、膨大な時間やコストがかかります。ゼロの状態からイメージを作り上げるよりも難易度が高く、元に戻す前に企業の業績が悪化して、取り返しがつかない状況になるリスクもあります。

企業・新規取引への悪影響

新たな取引への影響は甚大です。新規受注が取りにくくなることはもちろんですが、意外と盲点なのは、その影響が対顧客に限らないという点です。新規事業を始めたい、新たな事業パートナーと提携したい、オフィスを移転したい、といった、様々な新規契約の局面全てにおいて、ネット上の評判が影響を及ぼします

実際に、それらの対策をする起業経営者は、「未来のビジネスチャンスを逃す訳には行かない」という理由が最多と、個人への風評被害とは対策事情も大きく異なっています。

顧客離れにより売上が低下する

企業が風評被害を受けると、これまで製品・サービスを利用してくれた顧客が失望し、警戒心を抱くようになります。商品の購入を控えるようになるため、短期間で大量の顧客を失うリスクが高まります。顧客離れは、売上が低下する大きな要因です。ある企業では誤情報がSNSで拡散された結果、不買行動にまで発展しました。

売上が低下すると業績が悪化し、経営難に陥る可能性も考えられます。また既存顧客だけでなく、見込み客も離れるため、新規顧客とリピーターを同時に失うこととなります。

株価が下落する

風評被害により企業やブランドのイメージが悪くなったり、売上が低下したりすることで、株価が下落する可能性も考えられます。仮に出回っている情報が事実ではなかったとしても、投資家が企業の将来性や安定性に不安を感じ、持ち株を売ってしまうケースがあるからです。

特にマスメディアやSNSで取り上げられた場合、短期間で株価が大幅に下がる可能性が高まります。株価の下落は企業価値の低下に直結するため、資金調達や事業拡大に大きな影響を与えます。

優秀な人材を確保しづらくなる

風評被害によって企業に悪評がつくと、求職者は応募を避けるようになります。ある転職・支援サイトの調査によると、就職・転職をする際に企業について調べると回答したのは全体の71%です。ネガティブなイメージを持つ企業に就職・転職したいと考える人は少ないため、募集しても思ったように応募が集まらない可能性があります。

また既存の従業員が企業の将来性に不安を感じ、離職するリスクも考えられます。風評被害は優秀な従業員の採用を難化させるだけでなく、人材流出の原因にもなり得るでしょう。

風評被害を受けた企業のイメージを改善する3つの方法

風評被害の対策を講じていても、企業が風評被害を受けてしまうケースもあります。ここでは、風評被害を受けた企業のイメージを改善する、以下3つの方法について詳しく見ていきましょう。

  • 事実確認のうえ謝罪と今後の対策を提示する
  • SNS戦略を見直してユーザーと適切なコミュニケーションを取る
  • ユーザーだけでなくステークホルダーとの関係も強化する

企業が風評被害を受けたときは適切に対処することで、損害を最小限に抑えられます。また迅速な対応も、事態を沈静化するために不可欠です。

事実確認のうえ謝罪と今後の対策を提示する

企業が風評被害にあったときは、迅速に事実確認を行うことが大切です。正確に状況を把握し、被害の原因や情報の正誤を明らかにします。

また、対策においては、「正しさ」ではなく、被害感情に「配慮」した言動が求められるのが実情です。その点で、事実確認と同時に、「誰が」被害感情を持ち得るのかを良くシミュレーションしなければなりません。

そのうえで、説明不足など自社に落ち度があった場合は、非を認めたうえで誠意を持って謝罪しましょう。謝罪や今後の対応については、公式サイトやSNSを通じて多くの人の目に触れるようにすることが重要です。

出回っている情報が「嘘だから」という理由で放置すると、企業のイメージや信頼を損なう可能性があります。情報の正誤に関わらず、風評被害を受けたときはしっかり説明することが大切です。また謝罪する際は、具体的な再発防止策や今後の対応も提示しましょう。風評被害に対して誠実に取り組んでいる姿勢を世間に見せることは、失ったイメージや信頼を取り戻す大きな一歩となります。

SNS戦略を見直してユーザーと適切なコミュニケーションを取る

風評被害を受けた後に、SNSの利用をやめるのはおすすめできません。SNSは顧客と直接コミュニケーションを図れる貴重なツールであり、風評被害で失ったイメージや信頼を取り戻すのに有効な手段です。SNS戦略を見直し、ユーザーとて適切なコミュニケーションを取れるようにしましょう

ユーザーのコメントや評価に対して丁寧に対応すれば、徐々に悪いイメージが払拭される可能性があります。信頼関係の回復にもつながるので、風評被害を受けた後はSNSに浮上する回数を増やすことが大切です。SNSの運用だけでは効果が不十分な場合は、他のメディアも活用したイメージ戦略の見直しも検討してみましょう。

ユーザーだけでなくステークホルダーとの関係も強化する

風評被害を受けたときは顧客だけでなく、ステークホルダーとの関係も強化することが重要です。ステークホルダーとは、企業の経営やプロジェクトに直接的・間接的な関係を有する者を指します。具体的には、従業員や提携企業、株主などが挙げられます。企業が経営を続けていくためには、ステークホルダーとの信頼関係が不可欠です。

顧客への対応だけに注力していると、ステークホルダーからの信頼をさらに失い、今後の経営に悪影響を及ぼす可能性があります。ステークホルダーには、直接会って状況を説明したり、定期的に改善施策の進捗状況を報告したりするなど、丁寧な対応が求められます。

風評被害を受けたときは専門業者に相談しよう

風評被害は根拠のない噂や誤情報により、企業が受ける経済的・社会的損失のことです。近年SNSの普及によって誰もが簡単に情報を発信できるようになったため、以前よりも企業における風評被害のリスクが高まっています。

風評被害は企業やブランドのイメージ低下、売上の減少に株価の下落など、さまざまな悪影響を及ぼします。そのため企業が風評被害を受けた際は、自社に落ち度がある場合は謝罪し、SNSやメディアを通じて顧客の信頼関係を取り戻すことが重要です。また顧客だけでなく、ステークホルダーとの関係強化にも注力しましょう。

自社で事態を沈静化するのが難しい場合は、株式会社ソルナまでご相談ください。当社が提供する「カイシャの病院」では、お客様の状況に合わせて最適な対処法を提示し、解決までサポートしております。また、風評被害を未然に防ぐ方法や再発防止策を提案することも可能です。企業の風評被害における損失を最小限に抑えたいという方は、ぜひ一度ご相談ください。

お問い合わせはこちら:https://www.soluna.co.jp/toiawase/

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